私の合格体験記

投稿者: | 2017年1月9日

私が中小企業診断士試験を受験した際の学習方法について、少しずつですが、このブログで書いていきたいと思います。

今回はその1回目として、私の行った学習の全体のスケジュールなんかを、合格体験記っぽく書いてみます。
今後受験される方の参考の一つになれば幸いです。


プロフィールと受験のきっかけ

私の所持資格は、第2種情報処理技術者、簿記3級。

中学、高校とろくに勉強をせず、低偏差値の私立高校からコンピュータ系専門学校に進学。
バブルの最後の年で売り手市場のSEとして上場企業に就職し、その後、地元の中小企業に転職。
当時44歳のそれまでの人生で、改まって”勉強”や”受験”というものを行ったことがありませんでした。

ただ常々、仕事などを通じて周りの方たちと比べて、自分の頭が決して悪くないことを感じていました。
そんな中、中小企業診断士という国家資格に受験資格がないことを知り、難易度も自分には手頃に思えたため、自分の力を証明したいという気持ちで受験しました。

中小企業診断士の存在を知ったのが2015年8月1日、学習を開始したのが8月6日です。


学習方法と学習時間

学校などの集団での学習に苦手意識がありましたので、出来るところまでは独学でやろうと考えました。

毎朝5時に起床して2時間確保。
加えて、通勤や昼休みなどの隙間時間。
後は、休日の日中を学習時間に充てました。

夫婦揃ってお酒好きのため、夜は学習の時間を作れませんでした。
不満も溜まらず、就寝が早くなってお酒の量も減り、私にとって早起き学習はベストの選択だったと思います。
毎日の5時起きは二日酔いでも元日でも行い、結局今も続けています。

二次筆記試験合格までの総学習時間は1300時間ほどです。


学習スケジュール

学習内容 使った書籍など(主なもの)
8月 経営 TACスピードテキスト、TACスピード問題集
9月 法務 TACスピードテキスト、TACスピード問題集
10月 財務 TACスピードテキスト、TACスピード問題集
11月 財務 TACスピード問題集、TAC財務集中特訓
12月 運営 TACスピードテキスト、TACスピード問題集
1月 経済 TACスピードテキスト、フリーラーニング経済学
2月 経済 フリーラーニング経済学、TACスピード問題集
3月 システム、中小(政策) TACスピードテキスト、TACスピード問題集
4月 過去問、財務 TAC過去問題集、意思決定会計講義ノート
5月 過去問、二次 TAC過去問題集、一発合格道場記事
6月 過去問、二次 TAC過去問題集、一発合格道場記事、ふぞろい
7月 中小(白書)、過去問 TACスピードテキスト、TAC過去問題集
8月 二次 二次過去問、TAC二次直前パック、ふぞろい、全知、全ノウ
9月 二次 二次過去問、TAC二次直前パック、ふぞろい、全知、全ノウ
10月 二次 二次過去問、ふぞろい、全知、全ノウ

※書籍や資料、講座などは、別の機会に改めて詳述したいと思います。


試験結果

試験 実施日 試験結果
TAC一次公開模試 2016年7月2日、3日 367点-C評価(中小35点)
一次試験 2016年8月6日、7日 444点(素点)-合格
TAC二次公開模試 2016年9月4日 218点-A評価
二次筆記試験 2016年10月23日 合格

一次試験対策

大手受験校のスケジュールを参考にしたので、一般的なスケジュールだと思います。
学習開始の8月には、まだ28年度版のテキストが販売されていなかったため、経営と法務は27年度版を購入しました。

基本的には1科目につき1ヶ月を基礎学習とし、最初の2週間でテキストを2回通読してインプット学習、残りの2週間を問題集でアウトプット学習、隙間時間を暗記に費やしました。
一次試験の合格基準が「40点未満の科目がなく、合計で420点以上」なので、ノビシロの少ない得意科目を伸ばすより、ハードルを越える度に得点が伸びるであろう苦手科目の克服に努める方針でした。

財務が二次合格のカギになることは早いタイミングで理解していたので、一次試験対策時から意識して財務に時間を割きました。

また、経済は当初TACのスピードテキストとスピード問題集を使って1ヶ月で済ませる予定でしたが、全く理解できなかったため、腰を据えて石川教授のフリーラーニング(速習ミクロ経済学、マクロ経済学)を視聴し徹底理解に努めました。
おかげで経済を一次試験の得点源に出来る自信も付きました。

情報システムは、過去問を少しやってみたところ十分な得点を取れましたので、テキスト通読程度で済ませました。

3月に中小白書以外の基礎学習が終わり、その後、経営、財務、運営、財務は10年分。法務、中小、システムは5年分の過去問を繰り返し行いました。

中小白書は内容が毎年変わる暗記科目ですので、試験直前の7月まで手を付けないことにしました。おかげで一次公開模試での中小の得点は赤点でした。


二次試験対策

4月から始めた一次試験の過去問で一次試験は合格点を取れることを確信したため、5月からは一次試験対策と共に二次試験対策を平行して進めました。
12月辺りに何度か、過去の二次試験に挑戦していたのですが、何を問われているのかすら分からなかったため、まずは二次試験の情報収集が主でした。
5月~6月にかけて、ふうじん氏、ハカセ氏、うみの氏の記事を中心に一発合格道場様の過去の記事を読み漁りました。
6月には週末ごとに平成26年度の二次試験問題を毎週解きました。
二次試験で問われていることや、解き方を理解するためには、同じ問題に取り組んだ方がよいと考えたからです。

7月も上記の取り組みを継続して続けたかったのですが、公開一次模試の結果が思わしくなかったため、7月は一次試験対策に専念しました。

8月8日の一次試験解答速報で無事合格がわかった後に、TACの二次直前パック教室講座に申し込みました。
他の方から自分の答案を採点してもらうことが、二次試験合格の必須条件だと感じていたからです。
また、あわよくば受験生の自主学習グループに入れないかと思っていましたが、TACの二次直前パック教室講座は一次試験を含む本科コースの一部でもあり、途中参加になる私には一次試験通過者の見分けが付かなかったため、早々に諦めました。

事例問題は毎朝1事例+休日α事例で、二次試験までに合計109事例を消化し、10月以降はふぞろいなどを参考に妻に採点をしてもらっていました。
人(特に身内)に見せる前提で答案を書くことは、二次試験対策として有効だったと思います。

また5月頃からは、平日の出社後から始業までの時間に春秋要約を行っていました。
あまり実感はないのですが、結果として有効だったのかもしれません。

8月は80分で解答欄を埋める事、9月は合格答案と自分の答案の乖離を把握する事、10月は解く手順を固める事を心掛けました。


合格出来た要因と思えること

私の中小企業診断士試験の学習期間は比較的短期間とはいえ、それでも1年3ヶ月に渡る長丁場であり、その学習期間のモチベーションを高位で維持出来たことが合格に直結したと思います。

私は、モチベーションの維持には、毎日の学習時間を確保することが絶対条件と考えていました。
企業経営理論で学ぶ「ブルームの期待理論」は、「モチベーション=努力が特定の報酬をもたらす主観的確率x報酬の主観的魅力」です。
報酬の主観的魅力は、診断士試験合格=私の自己証明ですので、主観的には喉から手が出るほどの大きな魅力です。
報酬の主観的確率は、診断士試験合格の平均的な学習時間が1300時間ですので、私なら人並み=1300時間を確保出来ればかなりの確率で合格出来る自信がありました。

つまりブルームの期待理論では、学習時間1300時間の確保を日々実感することがモチベーションを途絶えさせないということになりますし、実際にその通りだったように思います。
もし1日でも、5時起きでの学習が出来なければ、主観的確率を低下させ、結果モチベーションは急激に低下して、とても合格は出来なかったように思います。

一番最初に企業経営理論を学んだことで期待理論を知り、早いタイミングで毎日の学習時間確保の重要性に気付いたことが、努力の継続と、日を追う毎に学習方法の工夫を凝らすことができた、大きな要因だったと思います。

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